漫画感想 魔王-JUVENILE REMIX-
魔王-JUVENILE REMIX- 原作:伊坂幸太郎 漫画:大須賀めぐみ
ちょっと紹介するのが遅過ぎた感があるけれど、次の選挙前までにまた読み返したりしたいです。
以下、ネタバレ含むので続きにします。
あらすじ。腹話術師アンドゥは自警団の団長イヌカイが魔王なのだという妄想に取り憑かれ対決した。アンドゥは敗れて死んだが、確率世界の支配者である魔王ジュンャが兄の仇を討つため虐殺を始めた。しかしジュンャも最後には危険なのはイヌカイではなく暴走するフーリガンである事に気付き、魔界へ帰っていった。
ちなみに俺は原作未読ですが、スピンナウトした作品がクロスオーバーするという原作レイプどころじゃないリミックスだった事で原作厨との争いがあまり発生しなかった珍しいパターンを見せてくれましたね。母数がアレだからレアなケースに至ったのか、母体に相当数の紳士が混在していたのかは知る所ではないです。どちらでも良いというか興味がないと言う意味で。
扱った主題はタイムリーだったと思います。漫画では犬養が引き起こした洪水は、現実ではマスコミと民主党が起こした訳ですが、正直に言って洪水はどうだって良かったと言っても良いのかもしれませんね。洪水は起きるべくして起きたのであって、未然に食い止める事は出来なかったんだと思います。おそらくまた洪水は起きるのでしょう。劇中でアンダーソン親子が言うように、人はとかく非合理で情に流されるものですから。情に流される事を否定するつもりはないのですが、全体のバランスを調和させる事は求められてしかるべきだと思います。非情なコンプライアンスなら必要ないし、情に流されてなあなあになってもいけない。おそらく今の日本人は、そこのバランス取りを上手く行えていないように感じます。俺自身も含めて。だからこそ安藤(兄)はくどいほどに「考えろ」と連呼しつづけ、それを受けた潤也と犬養はああいう結果を選んだというか。
つまり、洪水を起こした奴が問題でもなく、洪水の目的が問題なのでもなく、ホントにヤバいのは簡単に洪水が起きてしまう世の中自体、というところなんでしょうか。まあ人類の英知は蓄積されても心や信念や魂は全個体新規造成ですからね。いつか個人の経験を他人にそのままインスコできる機会でも発明されない限り、全員がその領域にたどり着く事はないんじゃないかなと思います。
俺はこれからもこのバカでハッタリと勢いで流され続ける世の中で生きていく訳ですけれど、その中で何が出来るのか、どうしたいのかをもっとよく考えるようにしていきたいな、と。考え続けることくらいしか出来ないんだから、俺なりに何かを積み上げていかないとなあ、そんな事を真面目に思った次第です。
あと見所なんかを。画像が大きいのは気のせいだと思います。
週刊の見開きでこれをぶちかまされた時、本スレで衝撃が走ったのは懐かしい想い出。
味をしめて繰り返すとか本当にやめて下さい。
この潤也くんのバカ故の力強さは大好きです。この時は安藤(兄)が入ってる気がしますが。