思い出して、また忘れたり。

 そういえば、約束守ってあげられなかったなぁ…ごめん。
 ん?感傷だよ、そんだけ。…それにしてもなんなんだろうなぁ。本当に何なんだろうなあ。

 悲しいことなんて あるものか あるものか
 振りほどいて僕は 急いででかけなくちゃ


 「初雪」突き刺さるなぁ…たまに思い出すくらい、いいさ。本当に、笑い合った長い日々も、確かに分かり合えた何かも、全部嘘だと言い切れたら、簡単に歩けるのにねえ。まぁ騙し騙しでも、歩いて行けるさ。ゴールはもうすぐやって来る。俺がずーっと、ずーっと待ち望んだ消失点。もう頑張らなくていいって言ってもらえるその日まで、生き急いで、駆け抜けるようにがむしゃらに向かって来た。生き急いだね、だいぶ駆け足だった。でも、頑張ったんだよ。6年がかりで必死にここまで来た。あの日からずっと俺は、ここに来る為に生きてたんだ。心残りはあるけれど、後悔も腐るほどあるけれど。
 でも、あともどりできないんだよね。俺はもうここまで来ちゃったんだな、と寂しく思うこともある。でも、見苦しく駄々をこねたり泣き叫んだりすることも込みで、ここに来たことだけは自信を持って言える。自棄糞?そうかもしれない。でもね。自分で選んだ結果だよ、だから後悔なんか無い。だから俺は大丈夫。皮肉たっぷりに笑って、今日も生きていく。その日が来るまで。