俺の正気を俺は保証しない。

 まあ、それはどうでもいいはなし。
 久々に煽るように酒を呑み、馴染みの上司に言いたい事を言いたいだけ投げつけ、酔っぱらったままコンビニで煙草と雑誌を買って夜中にコレステロールたっぷりのコンビニ弁当を食う。
 そうだね、死ねばいいんだ。とゲラゲラ笑いながらふと、酒を呑んで行ける領域と素面で行ける領域の差があまりなくなったことに気が付く。当然か。ガキの頃、修学旅行ではもっと弾けてた。ベクトルの向きが変わっただけで、素面でも操作出来ないなら、歳を取って能力が腐っただけじゃねえのか。そもそもまともじゃねーんだから、このまま狂った所で何も変わりはしないだろうにな。いや?楽しいよ。自分が道を外れて行くのは、主観のまま客観視にシフトしてしまえば、ただの笑い話だ。バカが道を踏み外して行くのは、自分をまともだと信じている人間にはこの上ない娯楽だよ。そこに矛盾があるかないかは、大きな問題じゃない。何でかって言えば。お前らも単に自分をまともだと信じてるだけなんじゃねーのかって、俺は疑ってるからだ。


 夕日のように赤い満月も、ゴミのような毎日も、この胃を抉られるような懊悩も、それがそうであるようにそうあればそれで万事子細ないように。それでいい。それ以上は、必要ない。