漫画感想 かげふみさん

かげふみさん 小路啓之
かげふみさん 1 (バーズコミックス)かげふみさん 2 (バーズコミックス)かげふみさん 3 (バーズコミックス)
イハーブ3巻を探しています。見つけたら短編とイハーブの感想を書きたい。
あらすじ。存在感のないかげふみさんが殺し屋グループから抜けようとしたら続々と現れる中2病患者が軒並みイタタな感じでちょっといい話になったと見せかけて投げっぱなしジャーマン。ある意味ハリウッド的なラスト。

 しかしまあ相変わらずアレな人達ばっかりで復活に気が付いて全巻揃えた時にはニヤニヤが止まらないレベルの既知外生物のオンパレードで大変宜しい。簡単に言うと登場人物がみんな中2病患者なんですが、同族嫌悪とシンパシーが入り乱れる読中の居心地の悪さは素晴らしい。なんでそんなヒネてんだよと思いつつ「あーそういう考え方もアリっちゃアリよね」とか思いながら振り回された挙げ句に後味の悪い気持ちになるのですが、小路作品はホントにサラッと読むのが難しく、サラッと流されている作品の余白に自分の想いや人生を投げ込んで悶々とするのがいいと思います。つーかサラッと読んだらつまんないと思う。

 存在承認に対しての考え方は割とちらほら出る上多種多様なそれを見せてくれるのでひとつの解答を探している人には良いのではないかと思います。確立された自己による強力な存在承認が最強という意見には個人的に賛同し難い部分がありますが、根っこを強く持てという意味ならそれもアリか。ただバランス取りの意識を失うと色々とアチャーな感じになるのは致し方ないと言うか、小路作品に出てくる人はそんなんばっかりだ。そこが辛いと言うか、悶々とする一番の部分なのかなあと思わなくもない。がじゅ丸さんのキャラクターがある意味理想かなあ。絵柄も元の感じに近いし。

 個人的にはキャラクターの絵柄がなんか凄い方向転換されてしまったのが悲しいです。嫌いじゃないけど。